「VIVANT」堺雅人の自衛隊秘密組織「別班」とはどんな組織なのか…本当に実在する?
金大中拉致事件でも暗躍か
別班の秘密活動が明るみに出たのが、50年前の金大中事件だった。韓国の朴正熙政権の中央情報部(KCIA)が、野党リーダーの金大中氏を東京・飯田橋のホテル・グランドパレスで拉致した事件で、金大中氏の日本での行動を監視していたのが、民間の興信所を装った別班といわれた。
別班元隊員が週刊新潮に「諜報活動の現実」を明かしたこともあるし、日本共産党の日刊紙「赤旗」は連載「影の軍隊」で別班長らメンバーのリストを明らかにした。
「別班という名称かわかりませんが、自衛隊の中に、表にできない活動をする組織があるのは間違いありません。というより、そうしたセクションを持たなければ、軍隊(自衛隊)として不備といえます。ただ、ドラマのように大きな本部があって、敵側を次々と殺したり、海外で破壊活動をしたりというようなことはない。防衛省職員や自衛隊員が機密を漏洩していないかをチェックしたり、自衛隊・基地反対運動の監視や活動家の買収など地味な任務でしょう」(軍事ジャーナリスト)
本物の別班はドラマを見ながら、「あんなカッコよくないよなあ」と笑っているかもしれない。ところで、堺雅人演じる乃木は自衛官としての階級はどのくらいか。東京大大学院修士課程修了のトップ学歴だから、入隊直後に三尉(少尉)、現在は一尉(大尉)か三佐(少佐)あたりか。いずれにせよ、エリート中のエリートである。
(コラムニスト・海原かみな)