元「ザブングル」松尾陽介さんは実業家転身後も順風満帆 いま明かすコンビ解散・引退の真相
「収入は芸人時代より少し上」
改めて、なぜ解散・引退したのか。
「2019年に闇営業問題で1カ月謹慎し、仕事がゼロになったのがきっかけ。40代に入って、仕事は徐々に減り、復帰して芸人を続けても、この先、テレビで冠番組を持てそうにない。芸を突き詰めて舞台に立ち続ける美学もあります。でも、僕はテレビにバンバン出て楽しくやるのに憧れて芸人になったので、それは違うな、と。ただ、引退したつもりはなかったんですよ。ネタをやる考えはないですけど、テレビに出ない、というつもりではなかったんです」
それで、引退と報じられた後の21年末の「アメトーーク!」特番に出演したわけだ。
「最近は結婚式とかお笑いイベントのMCも依頼があれば受けています。この1月ごろからはラジオ沖縄で『松尾陽介の人間交差点』でもしゃべっています」
あれやこれやで忙しく働き、「収入は芸人時代より少し上」だそうだ。そろそろ結婚か……?
「いや~事業を立ち上げたばかりですから、願望はまったくありませんね。実は、10年以上カノジョもいない(笑)。毎晩、男女の区別なくにぎやかに飲むのが楽しくて、カノジョがほしい、とも感じない。バーを午前3時に閉めた後、6、7時まで飲みに行って、記憶をなくして帰宅する毎日です(笑)」
そんなに飲んで、体は大丈夫?
「年齢的に肝臓の値が気になるので、一昨年、人間ドックを受けたら、γ-GTPの値が基準値の10倍以上の704で(笑)。週1、2日、お酒を抜いたら、去年は140に。ただ、バーを始め、また休肝日はゼロ。芋焼酎が好きで1日1升は普通に飲むのに二日酔いをしないので、つい油断してしまいます」
ご自愛を。
さて、名古屋生まれの松尾さんは、大学在学中の1997年、NSC名古屋校に入学。翌98年、大学を中退し、同期の加藤さんと「ザブングル」を結成し上京。「M-1グランプリ」(ABCテレビ、テレビ朝日系)、「キングオブコント」(TBS系)などで活躍した。
「名古屋で加藤さんに『一緒に東京へ』と声をかけられたとき、加藤さんは個性的だから売れそうだな、と受けました。でも、最高月収でも200万円前後。たいしたことなかったですね」
ピンでは、「アメトーーク!」に「運動神経悪い芸人」として出演。“ガチ王”と呼ばれ大きな笑いをとった。
「わざとできないフリをしてるんだろう、と言われますが、そんな余裕はまったくなかった。初期の頃は『こんなのを撮って何が面白いのか』と思いながら収録に臨み、映像を見て、自分の動きに自分でビックリ。あんな動きをしているとは知らなかったので。小学生のとき、『走り方がおかしい』と笑われてましたが……。そういうのが嫌で、小児ぜんそくを言い訳に、体育の授業はよくずる休みしていたんですよ」
思いがけず“芸”につながって、結果オーライ!?
(取材・文=中野裕子)