<10>自称モデル・ジェシカによる窃盗事件にはワイドショーが群がった
田辺警察は被害届を受理してから1年も捜査をしてジェシカを捕まえたのである。貸金業も営んでいたドン・ファンは被害届を警察に出すことが多く、虚言癖があることも知られていたので慎重な捜査となったのだ。
自称モデルのジェシカには仕事がなく、糊口をしのぐためにアマチュアカメラマンの撮影会に出ていたようである。
ネットで検索すると、そのエキゾチックな容貌やせり出した巨乳、ナイスなプロポーションを写した画像がすぐに見つかった。
東京・銀座の交際クラブにも登録していて、そこからの紹介でドン・ファンとお付き合いをすることになったという。彼女は1回会うたびに20万~30万円を受け取っていたそうで、これには買春行為ではないかという声もあった。
「私はね、結婚を視野に入れて付き合っていたんですから、買春ではないですよ」
■「1億円は紙くずみたいなもんやから」
たしかにバツ2の彼はこのとき独身であり、買春とは断言できない。もっとも世の方々の関心はそこではなかった。74歳の助平ジジイが愛人に金品を盗まれた、いったいどれだけスケベなんだろう、という興味のほうが強かったのは言うまでもない。