「魔法を描くひと」白尾悠著
「魔法を描くひと」白尾悠著
アニメーション会社スタジオ・ウォレス日本支社で働く契約社員の西真琴は、データベースから「クララとベルのにちようび」を呼び出していた。第2次大戦後まもないころ公開されたオムニバス短編集だ。2人の少女の物語なのになぜか3人の少女の画が現れた。
よく見ると鉛筆描きで「M・S・HERSEA」の署名がある。アーカイブ部門に問い合わせてみると、どの作品のスタッフリストにもこの名前は見当たらないという。だが後日、別の作品を呼び出していたとき、その署名がまた現れた。
契約更新が切られそうな不安定な立場で働く女性が、才能があるのに歴史の中に埋もれた女性たちの人生と巡り合う物語。 (KADOKAWA 2145円)