【感傷の力】どうしようもない無力感に苛まれる時こそ文学
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今日も雨がひどく降っている。またどこかで悲惨な災害が起きるのではないか、という不安を覚え、言いしれない無力感がひたひたと胸元にせりあがってくる。それを振り払うような気持ちで私が手に取るのは、「暗さ」で煮染めたような田宮虎彦の作品集「足摺岬」だ。
1911年生まれで、昭和…
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