「令和の百姓一揆」デモに参加した農家の怒りと悲鳴…コメ不足&高騰で我慢の限界!全国から3200人が集結
「我慢の限界だ!」──。東京都心で30日、コメ農家や酪農家らが「令和の百姓一揆」と銘打ち、デモ行進を繰り広げた。全国から実に約3200人(主催者発表)が集結。行楽日和の日曜午後、買い物客やインバウンドで賑わう渋谷や原宿など約5.5キロの車道を通り、約30台のトラクターが連なる姿は圧巻だった。参加者たちは口々に窮状を訴える。
■最低賃金1500円の時代に時給10円
「残業代も休みもない。『最低賃金1500円』を目指す時代に、コメ農家は『時給10円』と言われるほど所得も低い。日本一ブラックな労働環境です」と語るのは「令和の百姓一揆」実行委員会事務局長の高橋宏通さん(64)だ。消費者代表としてデモを計画した一人である。
「今の農家には、ほぼ価格決定権がない。原価を割って出荷を強いられる職業が他にありますか。現行の所得補償制度は不十分。所得の9割ほどが公的助成で補償される欧米並みに引き上げるべきです」(高橋さん)
福島から参加したコメ農家の安田潤一さん(61)は、実家に戻ってきた息子に農業継承の話を切り出せずにいる。
「生計を立てられなければ納得してもらえない。国の方針も飼料用への作付け転換を奨励し、従ってきたのにコメ不足が叫ばれると主食用を作れと迫る猫の目行政。これじゃあ将来の見通しは立たない。魅力ある農業に変えていかなければ、若い人は増えません」
北海道の生産者は「国は『農業を成長産業に』と掲げ、農地集約や大規模農業を推進していますが、日本の水田の多くは山間部にあり、集約は困難。それでいて『美しい棚田を守れ』と言うのはチグハグ過ぎる。まず米作りを支える中・小規模農家に優しくすべきです」と憤る。