赤木雅子さんの願い届かず…財務省が“違法”裁決「不開示決定取り消し」の答申を無視
またも財務省の壁にはじかれた。情報開示を求める赤木雅子さんの願いは届かなかった。
森友学園との土地取引を巡る財務省の公文書改ざん事件で命を絶った赤木俊夫さん。大阪地検特捜部の捜査で財務省は関係資料を任意提出したが全員不起訴に。俊夫さんの妻、雅子さんは真相解明のため資料の開示を財務省に求めたが拒否された。不服申し立てを受け国の情報公開・個人情報保護審査会は不開示決定を取り消すよう答申を出した。4月2日発行の日刊ゲンダイで報じた通り、これまでの流れを覆す答申だ。これを受け財務省がどう裁決を出すのか注目された。
それから2カ月、法が定める期限ぎりぎりで雅子さんのもとに裁決書が届いた。結論は「審査請求を棄却する」。資料があるかないかも明らかにせず、開示しないとした当初の決定をいささかも変えない内容だった。
情報公開法が施行されて22年、情報公開・個人情報保護審査会の答申を受けて官庁が裁決を出したケースは1万5070件。そのうち答申と異なる結論は24件しかない。つまり答申通りが99.8%と大半を占め、従わないのはわずか0.16%だ。雅子さんの請求は常識外の0.16%にされてしまった。