“言語化”は難しくない!「小5レベルの言葉でできる」と電通の名コピーライターが伝授
「セルフなぜ?」を習慣にしてしまうのが手っ取り早い
メイメイ:とりあえず、やってみましょう。
「なぜ私は仕事でミスが多いのだろう」
チエ:なぜならば、私は仕事に対して丁寧さを欠いているからだ。
メイメイ:はい、続けて。
「なぜ、私は仕事に対して丁寧さを欠いているのか」
チエ:それは、忙しくて、こなさなければいけないことがたくさんあるからだ。
メイメイ:先月間違えて、10枚発注するところを100枚発注してましたもんね。
チエ:うるさい!
メイメイ:一昨日もSサイズを探していたお客さんにLサイズを渡しちゃったり。
チエ:もー。「セルフなぜ?」に戻っていい?
メイメイ:「ではなぜ忙しくて、こなさなければいけないことがたくさんあるのか」
チエ:私が一人で仕事を抱えてしまっているからだ。
メイメイ:なるほど。仕事を一人で抱えずに、まわりの人にお願いしたりできたらいいかもしれませんね。
チエ:ほんとそうね!人にお願いするのって難しいけど、何から何まで私一人でやらなくてもいいんだよね。
メイメイ:はい、では最初の問いである「なぜ私は仕事でミスが多いのだろう」の答えを一言で言ったら、「私が一人で仕事を抱えてしまっているから」。解決法は、「人にお願いできることはする」だったのですね。
チエ:そっか。考えるのが少し楽になったかも。
メイメイ:「言語化がうまい人」というのは、これを自分の頭の中でスピーディにこなせる人のことなのではないかと思うのです。
チエ:自分で自分に質問して答えて、また質問をして……これを繰り返して、回答を言葉にしているということ?
メイメイ:はい、頭の中にこの回路と流れを作るんです。そのためには、この「セルフなぜ?」を習慣にしてしまうのが手っ取り早いんですね。
チエ:「習慣にする」か……。ローマは、なんとかにしてならず、ね。
メイメイ:はい、ローマは一日にして成らずです。この「セルフなぜ?」が習慣になると、チエさんの言語化はさらに進化しますよ! 次は、その「進化」を見てみましょう。
<POINT>
「セルフなぜ?」を繰り返すと、答えと解決策が見つかる。
▼手代木 聡 電通西日本コピーライター、クリエイティブディレクター
1975年東京都生まれ、広島県在住大学卒業後、Hondaの広告制作を手掛けるプロダクション「原宿サン・アド」に入社。ローカルの方が面白い仕事ができるのでは、と電通西日本の岡山支社に、31歳のときに転職。これまでに企業や行政などさまざまな広告・商品開発・ブランディングを手掛ける。表現をすることに憧れて就いたコピーライターという仕事は、実はクライアントの課題や見えない問題を可視化し、解決するための指針を立てることが醍醐味であるということに気づき、その能力を磨くうちに競合コンペでほぼ負け知らず、クライアントからは指名され続ける唯一無二のパートナーシップを築くようになる。