「あさイチ脳梗塞」の基礎を知る…寝たきりや認知症の主因
「あさイチ脳梗塞」が怖い冬。発症すると半分に後遺症が残り、寝たきりや認知症の主要な原因となる。脳梗塞の多くは起床から2時間以内で発症することが多い。どう予防すればいいのか? 「弘邦医院」(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。
「脳梗塞は、脳内出血、くも膜下出血とともに脳血管疾患(脳卒中)に数えられます。脳内の血管が詰まって神経細胞に十分な栄養が行き渡らず、意識、感覚、運動などが障害されます。脳血管疾患の7割が脳梗塞で、寝たきり、認知症の主要要因とされています。発症は就寝中か朝の起床時が多いとされます」
実際、「起床時発症脳梗塞」と「非起床時発症時刻不明脳梗塞」に分類した研究によると、症状覚知時刻は午前4時から10時が多かった。
厚労省の患者調査などによると、令和5年に脳血管疾患で治療を受けている総患者数は184.3万人。うち脳梗塞は119.1万人。この年に脳梗塞で亡くなった人の数は5.7万人で、月別では1月、12月、2月の順に多かった。
いまは研究が進み、脳に詰まった血栓を点滴による薬で溶かす「t-PA療法」や、細い管(カテーテル)を入れて血栓を回収する「血栓回収療法」が開発され、後遺症を少なくしたり、発症して24時間以内であっても脳梗塞の状態次第で患者を救える技術が進んでいる。しかし、一番いいのは発症しないことだ。どうすればいいのか?