皇室典範の改正勧告に抗議し国連女性委への拠出金除外…外務省が実行した“トランプ流”対抗措置の危うさ
圧力をかけるやり方が、どことなくあの人を思い出させる……。
政府は29日、国連女性差別撤廃委員会を日本の拠出金の対象から除外すると決め、国連に通達したことを明らかにした。同委員会が昨年10月、皇位継承を男系男子に限る皇室典範の改正を勧告したことに抗議する狙いだ。今年度に予定していた同委員会の訪日プログラムも取りやめるなど、異例の対抗措置に出た。
この対応について、SNS上では「トランプ大統領的なやり方だ」との声が上がっている。トランプ米大統領は就任直後から、米国の拠出金が中国よりも多いことを理由にWHO(世界保健機関)からの脱退を表明。地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定からの離脱も表明した。あくまで自国の論理を優先し、国際機関との対立もいとわぬ姿勢が、今回の日本政府のやり方と重なるというわけだ。
外務省はこの措置について、「皇位につく資格は基本的人権に含まれていない。皇室典範において皇位継承資格が男系男子に限定されていることは女性に対する差別に該当しない」と説明。「皇位継承のあり方は国家の基本に関わる事項であり、女性差別撤廃委員会が皇室典範を取り上げるのは適当ではない」と、内政干渉にあたるとの懸念を示した。