大阪万博「歯抜け開幕」ますます現実味…海外パビリオン完成たった6カ国、当日券導入“助け舟”の皮肉
大原則を棚上げだ。石破首相が25日、4月13日開幕の大阪・関西万博で「当日券」を導入する方針を正式に表明。「事前予約なしでも十分に万博が楽しめることを積極的にPRする」と説明したが、今回の万博は電子チケットの事前予約制が大原則だった。理由は「並ばない万博」を公約に掲げていたからだ。
混雑回避のため、購入にはまず専用サイトで「万博ID」を登録し、来場日時を指定した後、観覧希望のパビリオンなどの予約に進む──この煩雑な手間が嫌われ、前売り券の販売低迷はさらに加速。今月19日時点の販売枚数は約787万枚と、目標の1400万枚の56.2%にとどまる。
前売り券の販売不振を受け、今月5日には地元・大阪府の吉村知事らが石破首相と面会。「そこまで売れていないならば当日券の販売を」と泣きつく吉村知事に、石破首相は「工夫したい」と応じていた。
25日は自民党総裁の石破首相と日本維新の会代表の吉村知事が公明を含めた3党党首会談に臨み、高校授業料無償化などで合意。このタイミングで維新肝いり万博に“助け舟”とは、新年度予算案の成立を巡る石破首相の下心はミエミエだ。しかも事前購入時にID登録不要のチケットまで売り出すというから「並ばない万博」は完全放棄。「空飛ぶクルマ」の商用運航断念をはじめ、何ひとつ約束を守らない万博だが、決定的な公約違反も現実味を増す。もう開幕まで50日を切ったのに、「万博の華」の海外パビリオンが一向に完成しないのだ。