農相が備蓄米の追加放出表明も「中小の米屋には回って来ない」…廃業ラッシュで地域の安定供給が滞る恐れ
やはり、まだまだ流通量が足らないようだ。
コメ価格の高止まりを受け、江藤農相は9日、政府備蓄米の放出を今夏まで毎月実施すると表明した。
今月下旬にも備蓄米10万トンを対象にした、3回目の入札を行うという。
コメ不足の影響で、末端のコメ業者は廃業ラッシュに陥っている。帝国データバンクによると、昨年度に発生した「米屋」の休廃業・解散件数は88件。コロナ禍以降の過去5年間で最多を更新した。
コメ不足で仕入れ量が確保できなかったほか、価格高騰が影響して業績が悪化した米屋が目立ったという。
■優先されるのは大手飲食店や量販店
実際に、全国のコメの卸売りや小売業者から「売るコメがない」といった悲鳴が上がっている。
頼みの備蓄米は、JA全農が9割以上を落札。流通先は大手の飲食店や量販店が優先されているようで、中小の小売業者には入荷がない状況が続いている。