カージナルス「ハッキング事件」でイチローとばっちり
それにしても、ここまでよくやるもんだ。
16日に発覚した、中地区首位を独走するMLBカージナルスのハッキング事件。アストロズの内部ネットワークをハッキングし、選手情報やスカウティングリポート、トレード戦略から独自の統計データまで入手していたという。
すでにこの件はFBIの捜査により、カージナルスが“犯人”と明らかになっている。19世紀に誕生した名門球団はかねて情報戦にたけていたとはいえ、よりによってハッキングとは前代未聞。11年までカージナルスに在籍したアストロズ・ルノーGMのデータベースに侵入したというのだから、手段を選ばない手口は驚くよりほかない。
すでにMLBコミッショナーは状況を把握。FBIの捜査が終了次第、カージナルスに厳罰を下すというが、この件でとんだとばっちりを受けたのがイチロー(マーリンズ)だ。
カージナルスが不正入手し、流出した13年6月から14年3月のデータの中には当時在籍していたヤンキースが、不特定多数の球団に持ちかけたと思われるトレード話も含まれていた。「トレードに出した場合、年俸650万ドル(約8億円)のうち、450万ドル(約5.5億円)はヤンキースが肩代わりする」というもので、いかにヤンキースがイチローの扱いに困っていたかがよくわかる。
カージナルスが情報流出の犯人だとは、イチローも夢にも思わなかったに違いない。