中国人選手と契約のMLB 野球普及を目指す“本当の狙い”

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 競技の特性を利用したい米政権の思惑もあって、これまで以上に野球を普及させようという機運が高まる。

 戦後の日本で急速に野球が普及していったように、自己犠牲のかけらもないお国柄だからこそ、いったん火が付けばそれこそ広大な国土の隅々まで野球が浸透していくかもしれないのだ。

「北米大陸以外の最大のマーケットは日本ですから、MLBはそれ以外の市場を確保したいのでしょう。ターゲットは中国の子供たちです。レッドソックスが中国に目をつけた08~09年ごろ、MLBは『プレーボール』というプログラムを作り、富裕層を狙いました。子供たちが野球に興味をもち、面白いスポーツだと思えば自然と普及していきますからね。中国の最近の中央指導部は米国帰りの若手指導者が増えています。2、3世代後に向け、徐々に野球という競技の裾野は広がっていくかもしれません」(鈴村氏)

 MLBに新たな市場として中国を積極的に取り込みたい意図があり、13億人超の国民が野球に対して本気になれば、日本人メジャーリーガーは間違いなく割を食う。もちろん、3年や5年の短期間のうちに中国人特有の気質が変わるとは思えない。

 しかし、やがては中国人大リーガーも続々と誕生するだろうし、米国の日本人選手は働き場所を奪われても不思議ではない。

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