伊調パワハラ問題で揺れる至学館大 4月新入生と恩師の胸中

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 伊調は内閣府の要請で聞き取り調査に応じ、14日に所属先を通じて「自分の認識している事実をご説明いたしました」とコメントしたが、栄本部長への聴取は未定。騒動が長期化すれば、至学館大は4月から栄監督不在を避けられそうにない。

 同大の入学式は来月2日。本来なら新入部員は「レスリングの名門校に行ける」と胸を躍らせている頃だが、事態は暗転した。入学までの3週間を新入生は、毎日気を揉んでいることだろう。

 大阪女学院高ソフトボール部の西涼帆もそのひとり。西は昨夏、東京五輪に向けた最重量級(女子の場合76キロ級)の選手層強化を目的に募集したセレクションで唯一合格した金の卵だ。小・中学校は軟式野球部、高校はソフトボール部という「レスリング素人」。それでも柔軟性や足の筋力を評価された。今となっては、渦中の大学へ送り出す保護者や恩師も気が気ではない。大阪女学院中・高ソフトボール部の責任顧問である平松秀元教諭は一連の騒動についてこう言った。

「そりゃあ、やっぱり心配ですよね。決まったときは、みんなで『すごい、すごい』と盛り上がりましたけど、今こういうことになって……。ここまでレスリングのトレーニングに励んでいたみたいですが、古傷の膝が痛むらしいので、(至学館に)入ってすぐにバリバリやるわけではなさそうですが。真面目で穏やかな生徒で、闘志が表に出てくることがないタイプ。根が優しい子なので、レスリングでも相手の体を起こしてあげるような選手になるんじゃないか」

 今は自身の体より栄監督の状態が気になっているに違いない。

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