ラグビーW杯予選プールの見どころ 番狂わせが生むドラマ

公開日: 更新日:

スポーツライター永田洋光・特別寄稿
ラグビーW杯を存分に堪能する「マル秘情報」すべて教えます!】


 20日の日本―ロシア戦(午後7時45分開始=東京スタジアム)で6週間にわたるラグビーW杯の幕が開く。いまだに「ラグビーはルールが難しい」「どうせ日本は勝てないだろ」と距離を置く人たちもいるが、そんな狭い了見にとらわれて、このお祭りをスルーするのは、あまりにももったいない。世界最高のアスリートたちが持てる才能と力をフルに発揮し、競い合う一大スポーツイベントがW杯である。まずは予選プールの見どころを紹介しよう。

 ◇  ◇  ◇

 予選プールは5チームずつが4組に分かれ、総当たり戦が行われる。見どころはジャイアントキリング=大番狂わせが起こるかどうかだ。

 前回大会では、日本が2度の優勝経験を持つ南アフリカを34―32と破って「スポーツ史上最大の番狂わせ」を起こした。 過去にも、1991年大会で初出場の西サモア(当時)がウェールズを破り、2007年大会でもフィジーがウェールズを破ってベスト8進出を果たしている。

 下馬評で不利とみられた「アンダードッグ」が予想を覆して勝った例はもっと多く、それが魅力のひとつになっている。こうした番狂わせが起こるのは、優勝候補が6週間の長丁場を見据えてピークを大会後半にもってくるからだ。対するアンダードッグは、予選プールにすべてを出し切る覚悟で臨む。その温度差がドラマを生むのだ。

 もうひとつの見どころが「スピード」だ。ゲームが進むスピード感が、日本で行われるラグビーと全く違うのだ。

 特に各組の強豪たちが激突するゲームはパスの速さ、キックを追うスピード、ポジショニングの素早さとあらゆる点が異なり、違うスポーツのような印象さえ受ける。こうしたスピード感に加えて、生身の巨漢たちが激しいコンタクトを繰り広げるのだから、その迫力は凄まじい。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

  3. 3
    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

  4. 4
    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  1. 6
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

  2. 7
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  3. 8
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 9
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  5. 10
    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ

    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ