広島後任監督に野村氏有力で…巨人が避けたい“先祖帰り”
2010~14年までの前政権は5、5、4、3、3位。はっきりいって成績は良くないものの、1番田中、2番菊池、3番丸の「タナキクマル」が緒方時代の16年からのV3に大きく貢献した。この3人は野村監督時代に育成された秘蔵っ子である。広島のさるチーム関係者が言う。
「主に4番を務め、首位打者になった鈴木誠也にしても、高卒の早い段階から野村前監督にチャンスをもらい、我慢強く起用してもらった恩義がある。新井ら若い監督候補もいる中、野村さんへの“先祖返り”が検討されているのは、チーム崩壊の危機を避けたいからではないか」
今季、会沢、菊池涼、野村の主力3人が国内FA権を取得。会沢はリーグトップの得点圏打率・351をマークした打てる捕手で、二塁の名手・菊池は昨オフにポスティングシステムを利用したメジャー移籍を球団に要望している。今季6勝5敗、防御率4・06に終わった野村にしても、16年に16勝を挙げて最多勝に輝いた実績を誇る。
「現段階で3人全員が流出の可能性があるから球団も頭が痛いところ。予定では来年には田中、今村。21年には大瀬良、中崎。22年には誠也と、毎年のように主力がFA権を取る。球団として流出に慣れているとはいえ、みんなに出て行かれたらチームは崩壊する。今の主力が駆け出しの頃に使ってもらい、頭が上がらないのが野村前監督。流出に歯止めをかけるための切り札になり得る監督なんです」(前出の関係者)
これで困るのは巨人の原監督である。リーグ優勝は奪回しても、今季も広島に負け越し(10勝14敗1分け)。天敵の戦力を削ぐことも兼ね、FA権を持つ広島の質の高い選手に目を光らせている。野村氏の復帰で主力が相次いで残留を決断すれば、原監督は舌打ちすることになる。