高木美帆スピードスケート女子1500m「逆境」はね返す五輪2大会連続の銀
高木は今大会、この1500メートルなど5種目に出場予定。13日間で最大7レースに出場する過酷スケジュールに加えて、本番に至るまでの道のりも平坦ではなかった。
開幕直前に日本代表の大黒柱であるヨハン・デビットコーチがコロナ感染で離脱、リンクに立てなくなった。昨年、今大会の試合会場で行われたテスト大会はオランダ勢らが参加した一方、高木ら日本勢はコロナの感染拡大を考慮し、回避。実際に本番のリンクで滑ったのは5日の3000メートルのレース5日前だった。W杯前の11月のドイツ合宿でも選手、スタッフ計10人がコロナに感染するドタバタもあった。
前出の土井氏が言う。
「デビットコーチ離脱の影響は小さくないでしょう。この日もテレビで見た限り、指示役は糸川敏彦コーチ1人でした。デビットコーチは15年のコーチ就任以降、代表メンバーと寝食を共にし、緻密なコミュニケーションとペース配分等の計算をする。選手はチーム一体となり、この日は佐藤選手、高木菜那選手が入賞するなど、この1年でチーム全体として底上げした。そのデビットコーチが最後の最後に一声をかけられない、という状況は不安要素の一つになっているかもしれません。とはいえ、1000メートルでも十分にメダルを狙えるはず。一つ一つ気持ちを切り替えながらレースに臨んでほしいですね」
次のレースは13日の500メートルだ。