「旅行券をもらった方が良かった」と選手が口をそろえた近鉄V旅行の顛末
夜に出発して、朝方に着くパターン。ホノルルに到着してマウイ島行きの便に乗り継ぐ予定だったものの、だれかが税関検査で引っ掛かって足止めを食らい、予定の飛行機に乗れなかった。
「いったい、いつまで待たせる気だよ!」「まったく、だれだよ、税関で引っ掛かったのは……」
ホノルル空港で長時間待たされた我々は不満タラタラだった。フロントは当初、だれが税関で引っ掛かったのか明かそうとしなかったけれども、それもそのはず。“犯人”は仰木彬監督だった。
どうやらボストンバッグの底板の下に、申告した金額以上の現金を詰め込んでいたらしい。仰木さんは別室に連れていかれて、アレコレ調べられたそうだが、なにしろパンチパーマでラフないでたちだったから足止めを食らうわけだとみな、妙に納得した。
■「2本目以降は自腹です」
ようやくマウイ島のホテルに到着、ヘトヘトだったからチェックインしたかったものの、昼時でまだムリだと。そのまま島内観光ってことになったが、「チェックインも済まないうちから冗談じゃない」と、選手たちはそろってキャンセル。フロントに荷物を預け、ロビーや周辺の喫茶店でひと息入れた。