「財団法人の責務を果たすことが第一の相撲協会のなす仕事」70年前の国会で第10代佐渡ケ嶽親方が激しく批判
「財団法人たる責務を果たすことが第一の相撲協会のなす仕事だと自分は感じておるものであります。(略)理事会の機会あるごとに自分は始終申し述べたにかかわらず、何らこれに対する反響がないのであります」
永井氏は第10代佐渡ケ嶽親方として理事も務めた。相撲健康体操の原型を考案し、私費で「大日本国技研修会」も設立して相撲の普及に尽力したが、執行部にうとまれて協会を追われた。その経緯も国会で証言している。
その後にできたのが現在の相撲教習所だった。新弟子に実技や相撲文化、教養の座学を施す役割を担っているが、先の役員改選では、前期にナンバー2の事業部長だった芝田山理事(元横綱大乃国)が教習所長に任命された。
公益目的を果たすはずの「学校」は、国会の議論をかわすために形を変え、今では遠ざけたい理事を追いやる職場になったのだろうか。
▽若林哲治(わかばやし・てつじ)1959年生まれ。時事通信社で主に大相撲を担当。