千葉入団の渡邊雄太もメンタルがズタボロに…河村&富永に立ちはだかる超過酷なNBAの現実
「試合に出られないのは当たり前でしたし、ショックを受けるはずないのに、その言葉が自分に効いた。恥ずかしい話、メンフィスのホテルに戻ってから自分でも引くくらい泣いて、自分の感情がおかしくなって、体中の水分が全部出たくらい泣いた。泣き終わってすっきりしたときに、NBAはここまでにして、やりたい環境でやるのがいいのかなと思いました」
帰国を決意したにもかかわらず、むしろ精神状態は悪化したという。アップが終わり、コートに出た瞬間、体に力が入らなくなり、「身体の筋肉が全部硬直して、全身に重りをつけているような状態」だったと回想した。シーズン後も週に数回、セラピーに通ってメンタルケアを続けたという。
日本人で初めてNBAプレーヤーとなった田臥勇太(43)も、契約を勝ち取ったデンバー・ナゲッツで開幕直前に解雇された過去を持つ。翌年サンズに入団したが、今度は約3カ月で解雇。その翌年、ロサンゼルス・クリッパーズとの契約に至るも、再び開幕前にクビになる憂き目に遭った。
ここ最近は、NBAの扉をこじ開けようとする日本人選手が増えてきた。レイカーズの主力を務める八村塁(26)はともかく、パリ五輪日本代表の河村勇輝(23)はグリズリーズ、富永啓生(23)はインディアナ・ペイサーズとそれぞれ「エグジビット10」契約を結び、この秋から米国に活路を見出すことになった。