「官能小説『擬声語・擬態語』用例辞典」永田守弘編
「官能小説『擬声語・擬態語』用例辞典」永田守弘編
文芸の文章作法では、オノマトペ(擬声語・擬態語)の多用はよくないとされる。しかし、官能小説では、オノマトペは大切な役割を果たし読者の淫心をかきたてる。
本書は、官能小説約700冊から採録したオノマトペとその用例を収録した比類なき書。
「『れろっ…れろっ…ぴちゃ、ぴちゅ…』残精溜まる筒先に赤い小さな舌を這わせ、あるいは裏筋を舐め弾き、京介を清めることに夢中の理沙」(弓月誠「甘い生活 最高の義母と最高の義姉妹」)など舌にまつわるオノマトペをはじめ、「ドッドッ、ドバー」(安藤仁「花びらしぐれ」)など、激烈な表現が多い射精のオノマトペまで。男女別、体の部位別に紹介。
AVとは異なる興奮に導く官能小説の世界をのぞき見る。 (河出書房新社 1100円)