山口淑子 日本赤軍・重信房子に直撃インタビュー
<1973年8月>
8月14日午後3時、街頭のテレビの前には黒山の人だかりができていた。「3時のあなた」(フジテレビ)が朝刊のテレビ欄で、「重信房子・日航機ハイジャックの真相語る」と題し、渦中にある日本赤軍最高幹部の独占会見を予告していたからだ。日本赤軍は7月20日、パリ発羽田行き日航ジャンボ機のハイジャック事件を起こしたばかりだった。
インタビューしたのは「3時のあなた」で司会を務める山口淑子(当時53)。
場所は日本赤軍が拠点を置くレバノン・ベイルートではなくヨーロッパ某市、取材は8月上旬。
約束の場所に山口とカメラマンが立っていると、クルマが近づいてきて2人を乗せ、アパートで降ろした。
エレベーターを上がり、指定された部屋のベルを押すと、Tシャツにパンタロンの重信が姿を現した。
ハイジャックは「獄中にいる仲間の奪還と活動資金の獲得が目的だった」と重信は語り、「パレスチナ人民の権利回復のために必要ならば、今後も同様の手段を取る」と続けた。約束の1時間はアッという間に終わり、重信は姿を消した。