春ドラマ、旧ジャニ出演の良作&ガッカリは? 道枝駿佑「キャスター」超えは“リアルさが圧巻”だったあの作品

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コクハク

STARTO ENTERTAINMENTのドラマが目白押し!

 4月にスタートした2025年春ドラマも、ほとんどが中盤に差し掛かりました。

 今回はその中でも、民放ゴールデン・プライム帯のSTARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所、以下SE社)所属タレントが出演する作品で、期待以上だった“良作ドラマ”と、期待以下だった“ガッカリドラマ”を紹介します。

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 まず、今期のSE社所属タレント出演民放ゴールデン・プライム帯ドラマは、以下の通り。

 Snow Man・阿部亮平(31)出演「あなたを奪ったその日から」(フジテレビ系)
 Travis Japan・松田元太(26)主演「人事の人見」(フジ系)
 Aぇ! group・佐野晶哉(23)出演「Dr.アシュラ」(フジ系)
 Aぇ! group・草間リチャード敬太(29)出演「PJ ~航空救難団~」(テレビ朝日系)
 Snow Man・渡辺翔太(32)出演「なんで私が神説教」(日本テレビ系)
 なにわ男子道枝駿佑(22)出演「キャスター」(TBS系)
 Hey! Say! JUMP山田涼介(32)出演「ダメマネ! -ダメなタレント、マネジメントします」(日テレ系)


 デビュー組だけで7人が民放ゴールデン・プライム帯ドラマに出演しているので、SE社所属タレントは、旧事務所時代と変わらない影響力がありそうです。ただ、主演は「人事の人見」の松田さんのみ。事務所が生まれ変わって、番手に関わらない活躍が見られるようになりました。

期待以上だった良作ドラマ「PJ ~航空救難団~」

 まずは、上記7作品から、期待以上だった“良作ドラマ”を挙げたいと思います。

 視聴率面では、平均世帯視聴率10%以上を誇り、道枝さんが主演の阿部寛さん(60)に振り回されて、子犬のように可愛らしい「キャスター」が頭一つ抜けています(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。ただ、同じお仕事ドラマでもリアリティさに勝り、圧倒的期待以上だったのが「PJ ~航空救難団~」です。




 同作は、航空自衛隊全面協力のもと、航空自衛隊航空救難団に所属する救難員を育てる教官と、訓練生たちが挑む厳しい訓練と成長を描く青春物語。主演は主任教官・宇佐美誠司役の内野聖陽さん(56)で、草間さん演じる西谷ランディーら選抜試験を突破した訓練生をしごきにしごきまくります。

 30キロの荷物を背負って山を捜索し、要救助者を救出する命がけの訓練などが描かれてきましたが、教官達は訓練生にわざと水を浴びせ行く手を阻んだり、少しでも気力が足りない訓練生がいれば罵声を浴びせるなど、すがすがしいまでのスパルタ教育です。

 普通の学校の部活動で水を飲むことを禁止するなんて令和では考えられませんが、この救難団にそんなぬるい常識は通用しません。

ドキュメンタリーかと思えるリアルさ



 それも全てはこの救難団が、他のどの組織でも救助ができない場合に出動する“人命救助最後の砦”だから。ランディーも、そんな厳しい訓練に必死に食らいついていきます。

 草間さんのように仲間想いで頼りがいのあるランディーは、視聴者の心の拠り所にもなる存在。そんな訓練生を厳しく指導しながらも、熱く鼓舞し心を解きほぐしつつ、お茶目な一面もある宇佐美が物語を引っ張ります。

 このドキュメンタリーかと思えるリアルさで息を飲むレスキュー大作は、ぜひ映画化されてほしいと思うほどです。

期待以下だったガッカリドラマ「人事の人見」

 次に、期待以下だった“ガッカリドラマ”を挙げるとするなら、松田さん主演の「人事の人見」になります。地上波ゴールデン帯初主演となる松田さんに当て書きされた脚本ですが、「主人公・人見廉=松田さん」と思われては可哀想なくらい、荒唐無稽すぎるストーリーです。

 大手文房具メーカー人事部において、実務の知識は皆無に等しい“おバカでピュア過ぎる男”である人見。バラエティ番組などでイメージされる松田さんに、ぱっと見の人物造形は近いですが、毎回起こる人事部の問題事に対する人見の解決策が、現実離れしすぎて共感が持てません。


 女性社員の隠れ残業をテーマにした回では、人見の画策で女性社員と他の社員が倉庫に閉じ込められます。人見は倉庫からのリアル“脱出ゲーム”を協力して行うことで、何事も一人で抱え込んでしまう女性社員に、人に頼ることを解こうとしました。ところが人見が倉庫の鍵を失くし、全員閉じ込められるアクシデントに見舞われます。

 なんやかんやあって、鍵を見つけるプロセスの中で女性社員は部下に頼ることが出来るようになって万事解決。ただ、突如始まった“脱出ゲーム”そのものも理解出来ませんし、鍵が見つかる前提での解決策にご都合主義を感じてしまいます。

正直、松田さんの印象が下がらないか心配…



 他にも新卒採用がテーマの回では、落とされた学生に対し、人見が個人的に肩入れ。廃棄を命じられていた不採用の学生達の履歴書を勝手に持ち出し、秘密裏に交流を持つなど、人見をカッコよく見せるための「非常識で型破り」な行動が、視聴者をイライラさせる要素にしかなっていません。

 松田さんのキャラは“おバカでピュア過ぎる男”に違いありませんが、バラエティ番組などではきちんとその場の空気を読んで笑いを生み出しており、人の気持ちを害すような行動は取りません。

 人見が松田さんを体現した人物だと思われることで、視聴者からの松田さんの印象が下がってしまうのではないかと心配になります。

 昨年の春ドラマ「東京タワー」(テレ朝系)では、色気ダダ漏れの肉食系大学生役を好演しており、俳優・松田元太は“おバカキャラ”に留まらず、振れ幅のある役柄がこなせるはずです。今後松田さんには、また良い意味で我々視聴者を驚かせてくれる名作、名キャラクターにめぐりあって欲しいものです。

(こじらぶ/ライター)

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