AD時代はダメ社員だった 「そして父になる」是枝裕和監督
<子供>
是枝作品では「こども」も重要な役割を占めている。子供の取り違えをテーマとした「そして父になる」はもちろんのこと、柳楽優弥が14歳という史上最年少でカンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞を受賞した作品「誰も知らない」も子供の目線から大人を観察している。その演技指導方法は独特で、極端な話「指導しない」という。脚本は渡さないし、ストーリーも教えない。ただ、遊んでいる子供たちが何げなく発した言葉をピックアップしていくというやり方だそうだ。
ちなみに、是枝自身は01年に結婚し、現在は1女の父親である。
▽これえだ・ひろかず 1962年、東京都生まれ。早大第一文学部を卒業後、テレビマンユニオン入社。当初はテレビのドキュメンタリー番組を手がけていたが、「幻の光」で映画監督デビュー。その後、「誰も知らない」「ワンダフルライフ」「奇跡」などの話題作を発信し続けている。