ドラマ「昨夜のカレー 明日のパン」で鹿賀丈史が見せた新境地

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 日曜から始まったドラマ「昨夜のカレー 明日のパン」(NHK BSプレミアム)は中高年が楽しめそうだ。旦那の死後も、旦那の家に残り、義父と暮らす若い嫁テツコの日常を通して、女性の結婚観や人生観を描くコメディー。嫁を演じるのが、主演の仲里依紗(24)。一見、若者向けだが、実はショボくれた義父の鹿賀丈史(64)がいい。

 鹿賀といえば中年には松田優作と強盗を演じた映画「野獣死すべし」や「振り返れば奴がいる」(フジテレビ系)などハードボイルドなイメージなのに、本作では出て行かない嫁に気を使う冴えない初老の親父役。食事中に、出て行く、行かないの話になり、テツコから「私が(お義父さんを)みとるから。それが一樹(死んだ旦那・息子)との約束だから」と言われると、神妙に「すみません……」と弱気になったりして。

「三匹のおっさん」(テレビ東京系)主演の北大路欣也のように、かつての二枚目俳優が中高年を演じて新境地を開いたが、くということを書いたが、鹿賀丈史もまさにその路線。

 同時進行で描かれる隣家の主・小倉一郎(「三匹のおっさん」にも出演)が、これまたいい味を出している。部屋から出ない引きこもりの娘を持つ小倉は、定年退職の日も奥さんからゴミ出しを頼まれる冴えないサラリーマン。鹿賀は会社帰りに小倉を誘い、2人で飲み屋で酔っぱらう。

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