著者のコラム一覧
野地秩嘉ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュや食、芸術、文化など幅広い分野で執筆。著書に「サービスの達人たち」「サービスの天才たち」『キャンティ物語』「ビートルズを呼んだ男」などがある。「TOKYOオリンピック物語」でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

<第1回>訃報の日に甥からメール「伯父は厳しく優しかった」

公開日: 更新日:

【八甲田山 (1977年・東宝)】

 高倉健が亡くなったと発表のあった日、彼の甥からメールをもらった。

「伯父は厳しくてやさしい人でした」

 このメールほど、彼の人柄を表しているものはない。人間としても役者としても厳しくてやさしいのが高倉健だ。

 彼の言葉を記録した『高倉健インタヴューズ』(プレジデント社)は完成までに18年かかった。ただし、インタビューしたのは10回だけ。それでも、関係者からは「10回も会うことができたのは幸せだ」と言われた。なんといっても、「初対面の人は1年に3人」という人なのだから。

 そして、本書には本人が「この映画に出たことが忘れられない」と語る作品がいくつか載っている。そのなかから、彼自身が語る見どころを紹介したい。

 第1回は「八甲田山」。同作品は明治35年、青森の連隊が八甲田山の雪中行軍に出て、199人もの遭難死を出した史実を映画化したものだ。北大路欣也扮する陸軍大尉が「天は我々を見放した」というセリフがCMで流れ、当時の流行語になった。

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