女優・井上真央が語るNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の見どころ

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夫の秘密や女の戦いと…だんだんドロドロしていきます


 松下村塾も面白く描かれます。塾は3、4人が入るといっぱいになる3畳間程度の狭い部屋で男くさいんです(笑い)。松陰は伊勢谷友介さん、高杉は高良健吾さん、久坂は東出昌大さんです。

 高良さんは私が「おひさま」に出演した時の夫役でしたが、今回は歴史上の人物としては特に人気の高杉役、撮影中もとても緊張されています。東出さんはとても真面目な方で器用ではないかな(笑い)。でもそれが久坂玄瑞の朴訥とした感じにピッタリなんです。

 萩の松下村塾や松陰神社にボランティアガイドのおじいさんがいらして、NHKのプロデューサーから久坂は誰がいいか聞かれたそうです。当時、東出さんが朝ドラ「ごちそうさん」に出ていたこともあって、「東出君がいいと思う」と答えたんですって。そうしたら本当に東出さんになったので、「俺の意見が通ったんじゃないか」と言って笑っていました。

 文は、早くに兄や夫を亡くし、子供もいなかったので毛利家の奥に入り、守役として仕えます。後に、夫の久坂に隠し子がいることがわかって、京都まで会いに行ったりするのですが、そこはドロドロしていますね(笑い)。

 昔は今では理解できない縁組も多く、家を守るため、文は41歳で、亡くなった姉の夫で群馬県令の楫取素彦(大沢たかお)と再婚するんです。

 多くの幕末男子は、今の私と同じくらいの20代で亡くなりますが、文は、その人たちの影響を受け、時代に巻き込まれながら79歳まで生き、兄や仲間、夫が見ることができなかったものを見続け、波瀾万丈な一生を送ります。

 名もなき女性の人生ですが、いろいろあって感情移入しやすいので、ぜひ、最後まで楽しんでいただければと思います。

【舞台】幕末の長州。主役は勤王の藩士として知られ、安政の大獄(1858―59年)で処刑された吉田松陰の妹・文。

【人間関係】複雑だ。松陰は3男4女の次男、文は四女。杉家は農業も兼業する半士半農の家で吉田家、玉木家の先祖が兄弟姉妹という一族。松陰の姓は吉田、文は杉。

【松下村塾】開設したのは叔父の玉木文之進で56年に松陰が継いだ。高杉晋作、文の夫・久坂玄瑞とも塾生で久坂は64年、高杉は67年に死去。

【結婚】文が久坂と結婚したのは57年。文15歳、久坂18歳。美和と改名して再婚するのは83年、美和41歳で相手の楫取素彦は55歳。元は小田村伊之助という、長州藩の松陰と同じ境遇の藩士で後に群馬県令になる。

【事件】ペリー来航、日米修好通商条約、安政の大獄、馬関戦争、禁門の変、長州征伐、薩長連合、大政奉還、萩の乱など。

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