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ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで」(光文社新書)などがある。

明日は仕事あるのか? 有吉弘行が苦しんだ事務所への電話

公開日: 更新日:

 売れていた頃からぜいたくをしていなかった有吉には最高7000万円の貯金があった。だが、税金や生活費でどんどん削られていき、収入がないのでジリ貧の生活が続く。食事は1日1食のみ。閉店間際のスーパーで250円の見切り品を買い、飢えをしのいだ。

 それだけ追い詰められていたらバイトでもすればよさそうなものだが、「あいつ、落ちぶれたな」と世間の人に蔑まれるのを恐れてバイトすらできなかった。この時期のことを振り返って有吉は語っている。プライドなんて早く捨てておけばよかった。プライドよりカネだろ、と。

 そのほかにも、「断食は3日まで」「近所の炊き出しの場所は把握しておけ」「貯金残高は心の余裕のバロメーター」など、本当の地獄を見てきた有吉にしか語れない重みのある金言が満載。あの捨て身の毒舌芸ににじみ出る絶対的な説得力は、このどん底暮らしで培われてきたのだ。

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