「A LIFE」のキムタクに欠けているのは松方弘樹流役作り
よく京都・太秦に取材に出かけた。夜の先斗町は撮影を終えた役者たちがスクリーンからそのまま飛び出してきたようなヤクザ衣装で飲み歩いていた。こんな話を聞いた。
「ホンモノの方といざこざを起こしていましたが、『東映組や』とひるむことはなかった。実戦の喧嘩で演技に迫力を出そうとしたのでしょう(笑い)」
役にのめり込み、役になりきる典型的な例だが、木村はキムタクのイメージが優先。極端な役づくりは難しいかもしれない。むしろ、なにかと対比される「嘘の戦争」(フジテレビ系)の草彅剛のほうが役者として一皮むけた感がある。内容にも期待感がある。視聴率は僅差。下降気味の木村ドラマを草彅が逆転する可能性もある。
ドラマの次は映画が控えている木村。春公開の主演映画「無限の住人」の宣伝が早くも始まっている。最近の時代劇ブームと「強くてカッコいい用心棒役」と、これも容易に内容を予想できてしまう。こうなれば継続は力。カッコいいキムタクを貫き通すやり方もありか――。