愛弟子・小西博之が語る 松方弘樹さんの「豪快伝説」<上>

公開日: 更新日:

 僕にとっては「時代劇と夜の師匠です」と肩を落とすのは“コニタン”こと小西博之さん(57)。先日、亡くなった俳優の松方弘樹さん(享年74)とのくめども尽きぬ思い出について語ってもらった。

  ◇  ◇  ◇

 駆け出しだった僕に京都の夜の醍醐味と時代劇のイロハを教えていただいた師匠が松方さんでした。初めてお会いしたのは87年秋。東映の京都撮影所で行われたTBSの正月大型時代劇スペシャル「徳川家康」の現場で、松方さんは主人公の家康、僕は福島正則の役でした。初の東映で緊張していましたが、「きょうは終わったら用事あるのか? ないのか。よし、飯行くぞ」と声をかけてもらい、初日の夜に連れて行ってもらったのは松方さん行きつけの祇園のステーキ屋。「とりあえず500グラムでいいか」「ハイッ!」。肉汁がいまにも滴りそうな100グラム1万円のヒレステーキがじゅうじゅうと音を立てて運ばれてくるわけです。「酒は飲めるのか?」「ハイッ!」。

 すると、ヘネシーのボトルが一本、ドーン。その場には衣装さんや床山さんも駆け付けていて、「欽ちゃんところの小西や、きょうはおもろい芝居しとったわ。これ、飲め!」です。わざわざ、僕のお披露目を兼ねた食事会を開いてくださったのは、松方さんの気遣いそのものでした。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ