著者のコラム一覧
吉川圭三映像プロデューサー

1957年、東京都生まれ。82年日本テレビ入局。「世界まる見え!テレビ特捜部」「恋のから騒ぎ」「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」などを手掛ける。現在、ドワンゴのエグゼクティブプロデューサー、早稲田大学表現工学科講師を務める。著書に「たけし、さんま、所の『すごい』仕事現場」(小学館)、「全力でアナウンサーしています。」(文藝春秋)がある。

スタジオジブリ鈴木敏夫<前編>ディズニーを相手に大勝負

公開日: 更新日:

 そんな鈴木さんの本当の凄みを知ったのが、ジブリディズニーの交渉の過程を聞いた時だった。ジブリ作品は時に興行的にうまくいかないこともあったが「となりのトトロ」「火垂るの墓」「魔女の宅急便」とテレビ放映で、驚異の視聴率を誇っていた。これに目を付けたのが、ディズニーグループの日本支社、ブエナ・ビスタ・ジャパンのトップ、星野康二氏(現在、スタジオジブリ会長)だった。ビデオソフト化すれば誰もが買い揃えると踏んだのだ。星野氏がジブリの親会社、徳間書店を訪れると紺スーツの中年集団が大勢で話を聞き「後で連絡する」と言う。都合2年通い続けたが、実は知識も権限もないサラリーマンと会っていただけだったのだ。

 ある日、新橋の徳間の会議室に、ゴルフズボンをはいた経理の人と共に、まるでペンキ屋のような格好の鈴木敏夫さんが入って来た。星野氏のプレゼンが終わると鈴木氏はほとんどの点にダメ出し。「考える」と言って席を離れ、だいぶ経ってからディズニーが入っているビルのカフェにやって来て星野氏を呼び出し、

「ビデオ化やっていただきましょう。『風の谷のナウシカ』はじめすべてのジブリ作品を販売して下さって結構です。ただし、今制作中の新作『もののけ姫』を全米上映してください」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末