「カメ止め」に盗作疑惑…原案or原作めぐる泥仕合の行方
それを受け、カメ止め側は公式サイトに「記事の内容は不適切」と真っ向から反論するコメントを掲載。拡大上映前に原案として劇団名の表記を提案した上、舞台関係者らとの協議を進めていたのにパクったと報じられ「強い憤りを感じます」とつづり、泥仕合の様相を見せているのだ。
映画化する小説同様、自分たちの舞台も原作だと主張する和田氏。それに対し、あくまで参考にしただけだから原案だと主張するカメ止めサイド。当初から同映画の動向をウオッチしてきた映画ジャーナリストの大高宏雄氏は、パクリ疑惑が出た現状について「さまざまな形で応援してきただけに、何とも残念」とした上でこう続ける。
「著作権が生じる原作に対し、原案はアイデアや実際の出来事をあくまで参考にしたというニュアンスの要素が強い。著作権があるかどうか、原案の定義はとても曖昧で、あらぬトラブルを回避するためにも原案の表記は減少傾向にあると聞く。それでも原案とした映画製作サイドには何かしらの意図や事情を感じます。また原作を主張する和田氏も映画を観賞した直後は作品を評価し、喜んでいた面もあったようだ。その心境の変化に興味がある。いずれにしろ、両者が歩み寄れる余地はあるのではないか。今回の騒動の行方次第によっては、有力視されていた年末の各映画賞の受賞に暗雲が立ち込めるような気がするのも、重ね重ね残念だ」
パクリ疑惑が原因で客足が減るような事態になれば、逆に名誉毀損で訴えるなんてことにもなりかねない。企画勝負の低予算映画で一発当てるという、夢ある話にケチがついてしまった。