安室奈美恵と樹木希林…残す言葉から“去り際”を研究する
今どきの子(といっても、安室も41歳なわけだが)と会話していて思うのは「カワイイ」「ヤバイ」だけで会話が成り立っていること。それにコミュニケーションはSNSで。やはり自分の言葉や声でちゃんとメッセージを伝えるのが大事だ。
その結果、各局ワイドショーも、安室引退の話題ではサプライズで山Pが出たとか、安室がラストに何を歌ったとか、そんな話題しかなく、「ありがとうございました」の映像を何度も何度も見せられるハメに。
■老いに向かう中高年の指針に
その点、樹木希林はさすが。映画の宣伝やイベントでのやりとり、インタビューやバラエティー番組に出演した際、彼女の口から出てくる言葉の一つ一つが深く、そこには人生観や死生観が込められている。
たとえば「結婚なんてのは若いうちにしなきゃダメなの。物事の分別がついたらできないんだから」とか「がんはありがたい病気よ。周囲の相手が自分と真剣に向き合ってくれるから」「(がんだと)死ぬまでの準備ができる」とか。