引退はマイナスだった…忘れ去られることは一番の致命傷

公開日: 更新日:

新田恵利編<11>

「1億って話が来てるよ」

 事務所のスタッフから、とんでもない額のオファーを聞いた。宮沢りえさんの、若くて人気絶頂のときの写真集「サンタフェ」が社会現象になるほどの大ヒットして以降、二匹目のドジョウを狙おうと、出版社はこぞって女優さん、元アイドルを口説きまくっているとは聞いていた。そうした誘いは私のところにも舞い込み、すでに何社かからオファーも来ていた。

 物書きの仕事をしたい私の足元を見て「エッセーを一緒に載せてもいい」とニンジンをぶら下げるところもあった。ヌードにどれだけの価値があるのか分からないが、脱げるくらいなら女優の道を進んでいると思った。

「売れなくなったら脱ぐ」というのが芸能界では王道という見られ方があり、それに従うのも嫌だった。

 しかし、もう何度も何度も何度もヘアヌードの話ばかりされて、知らないうちにだんだんと、洗脳されていた気がする。
――やってもいいのかな。

 そんな声が心の中で大きくなっていく。何よりも1億円という金額に心が揺らいだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末