木久蔵「ほめて下さい。僕はほめられて育つタイプなんで」

公開日: 更新日:

「改名するに当たって僕も考えました。当人が『僕、有名になりたい』と言いますんで、だったら木久蔵を継いじゃえばいいと襲名を提案したんです。僕は違う芸名にするからって」

 その一言が演芸界では初めての親子同時襲名に発展する。

「母親は反対しました。お父さんが広めた名前を、いくら息子だからってそんなに簡単に譲っちゃいけないって。でも、売り出すにはそれが一番と思いました」

 歌舞伎界では親子同時の襲名披露はよくあることだが、落語界では初めてだ。父親がどのようにして新しい芸名をつけてダブル襲名に臨んだか。その方法もまた前代未聞であった。

 1996年に入門。前座名は林家きくおである。父親の前座名が木久男だった。

 木久扇としては、息子が落語家になったのはうれしいけれど、寄席の楽屋仕事などの前座修業が務まるか心配だったという。しかし、それは杞憂であった。木久蔵はこう語る。

「楽屋の仕事は苦じゃなかったですよ。多くの芸人さんが、息子ということで可愛がって下さいました。それは父がどの仲間にも優しくしていたからでしょう。学生時代は木久蔵の息子だからってチヤホヤされることはなかったので、とても居心地が良かったです」(つづく)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議