朝のワイドショーは様変わり「安く仕上げろ」が最優先に
事件や事故の現地中継も、キー局からフリーのベテランリポーターを派遣せず、近くの系列局の記者が現場からしゃべることが多くなった。これまたギャラがいらない。
制作費の削減で、もうひとつ近ごろ目立つのが、同じネタで延々と引っ張る番組構成である。政治や経済などのお堅いネタを司会の羽鳥慎一が“めくり”で解説していく「モーニングショー」の羽鳥パネルは、視聴率アップの原動力だったが、これが1時間近く続いたりする。パネルを作る手間暇はかかるが、違うネタをいくつも仕込むのに比べれば費用は安い。
ひとつのネタで尺(時間)を稼ぐやり方は、他のワイドショーも同じで、さらには何日も使い回す。隣の国の法相の去就など、どれほどのニュースなのか。しかし、映像さえあれば、韓国ウオッチャーに解説させるだけで一丁上がりだから、連日やる。やはり、制作費はほとんどかからない。
大物司会者が番組をすべて仕切り、うるさ型のコメンテーターが百家争鳴なんていうワイドショーは、もう作れなくなっている。
(コラムニスト・海原かみな)