NHK「チコちゃんに叱られる!」は外注制作だから成功した

公開日: 更新日:

 芸能界の大御所たちがいま、いちばん出演したいテレビ番組は、NHKの「チコちゃんに叱られる!」(金曜夜7時57分)なのだという。近ごろはちょっと忘れられがちだけど、チコちゃんに叱られれば、また世間に思い出してもらえて、お年寄りから子どもまで、あらゆる世代で好感度がアップするからだ。

 チコちゃんがここまで人気者になるとは、NHKも予想していなかっただろう。成功のきっかけは、フジテレビ系のプロダクション「共同テレビジョン」に制作を委託したことだった。

 もともと、共テレの名物プロデューサー小松純也の持ち込み企画なのだが、これまでのNHKだったら、民放制作会社に番組を丸投げするなど考えられなかったし、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」という決めゼリフも、「5歳の子どもに汚い言葉をしゃべらせるな」と、局内から反発が起きたはずだ。そうならなかったのは、働かさせ過ぎ問題があったからである。

 ちょうど番組が立ち上がるころに、電通が新入社員の過労自殺で労働局の強制捜査を受け、その3年前にNHKでも記者が過労死していた。職員の業務軽減を迫られたNHKは、外注を増やすことにしたのだ。そこにチコちゃんが生まれた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に