著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

北村、毎熊、安田…ドラマに欠かせない「ダメ親父」の存在

公開日: 更新日:

 NHK朝ドラ「スカーレット」で、戸田恵梨香演じるヒロイン川原喜美子の父・常治のダメ親父っぷりが面白い。演じるのは北村一輝(50)。そもそも一家が大阪から信楽に引っ越してきたのも、商売に失敗し、借金から逃れるためだった。

 戦後とはいえ、貧乏ぶりはすさまじく、産後の肥立ちが悪い母に代わって喜美子は家事を一手に引き受け、けなげに妹の面倒も見る。中学卒業後、進学したいと訴えるも、「女に学問はいらん」と一蹴され、大阪に働きに出て、給料は家族に仕送り。

■借金だらけでいい加減

 大阪での生活も3年経ち、内職で貯めたお金で念願の美術学校に通おうと着々と進めると今度は「母が病気」と嘘をつかれ、帰ってみれば実家は借金だらけ。そんな喜美子が不憫だけど、当の喜美子はダメ親父を嫌うどころか慕っているふうで父娘の関係は良好なのが救い。富田靖子演じる母も、夫に対し愚痴も言わず愛情をもっている。懐の深い妻や娘のおかげでダメ親父は威張れる。

「カーネーション」の小林薫、「まれ」の大泉洋と並ぶ北村のダメ親父っぷり。ヒロインが輝くために、ダメ親父はいなくてはならない存在なのかもしれない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪

  2. 2

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  3. 3

    都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪

  4. 4

    東国原英夫氏は大絶賛から手のひら返し…石丸伸二氏"バッシング"を安芸高田市長時代からの支持者はどう見る?

  5. 5

    都知事選落選の蓮舫氏を「集団いじめ」…TVメディアの執拗なバッシングはいつまで続く

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  3. 8

    ソフトバンク「格差トレード」断行の真意 高卒ドラ3を放出、29歳育成選手を獲ったワケ

  4. 9

    “卓球の女王”石川佳純をどう育てたのか…父親の公久さん「怒ったことは一度もありません」

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方