「相棒」「ドクターX」…人気シリーズの裏に意外なモデル
「シリーズものは固定ファンが付いているので、数字(視聴率)が計算でき、スタッフや俳優は制作の勘どころがわかっているし、セットもそのまま使えます。スポンサーも付きやすい。テレビ局にしてみれば、ドラマをシリーズ化して当てたらウハウハですよ」(テレビ誌編集幹部)
ドラマが人気シリーズになるかどうかは主人公の魅力にかかっている。それを生み出すのが脚本家で、ドクターXの中園ミホは「私、失敗しないので」が決めゼリフの大門未知子の一匹狼キャラは、ロンドンオリンピック女子柔道で金メダルを取った松本薫が、試合後に「私、ミスはしないので」と言い切ったのを見て思いついたと話している。
相棒の杉下右京の生みの親の輿水泰弘は、切れ者すぎて嫌われる慇懃無礼なキャラはシャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロ、ネチネチと犯人を追いつめ、回りくどい物言いは刑事コロンボからヒントを得たという。
杉下右京役は企画段階から水谷豊に決まっていて、大門未知子役も米倉以外にはちょっと思いつかない。印象的な主人公をいかにもそれらしい役者が演じたときに、ヒットシリーズは生まれるということだ。天海祐希の「緊急取調室」(テレ朝系)、長澤まさみの「コンフィデンスマンJP」(フジ系)、上野樹里の「監察医 朝顔」(同)などは、長寿シリーズが期待できそう。
(コラムニスト・海原かみな)