ダッチワイフを追いかけ…川で溺れて死にかけた小学生の僕

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 僕が「お兄ちゃんは、俗に言う、名選手、名監督にあらずの長嶋タイプだな」と思っていると、また川の流れが変わり、再び川底にのみ込まれました。

「いよいよやばいな」と恐怖が体中を駆け巡った時、僕の体を力強く掴む手が。お兄ちゃんが飛び込んで助けに来てくれたのです! お兄ちゃんは僕の体を抱き寄せながら泳ぎ、「初めからこうすればよかったな」とつぶやきました。長嶋が王を救った瞬間です。

 そしてしばらく泳いだ先の土手のような所に僕を引き上げてくれました。「はぁはぁ、どうして川の中に入ったの?」と聞くお兄ちゃんに僕は、ダッチワイフとは言えずに「女の子を助けようと思って」と答えると、お兄ちゃんは「その子は!?」と大声で聞き返し、僕が「流された」と言うとお兄ちゃんは「早く言え!」と、また川に飛び込みました。

■命の恩人は…

 そのあと、陸に上がったお兄ちゃんに事情を説明して、その日は家に帰りました。これは本当に不思議な話なんですが、後日、母親とその友達の家にお礼を言いに行くと、いませんでした。なんと引っ越していたのです。

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