弟子に対しても対抗心…落語家は大人げないほど負けず嫌い

公開日: 更新日:

 一之輔の真打ち披露興行は2012年3月21日から、鈴本演芸場を皮切りに、末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場の順に各寄席を回った。

「抜擢昇進だからといって、仲間の妬みなんかはまるで感じなかったですね。それは僕でなく、師匠の人徳でしょう。一朝の弟子ということで優しく接してくれる。それに、真打ちがスタートという意識があって、昇進時期にこだわらなくなってましたし」

 確かに、小朝が36人抜いて昇進した時代とは意識が違ってきたのだ。

「興行が始まっちゃうと、1日1席やればいいんで、気は楽です。その前の披露パーティーのほうが大変でしたね。準備は全部自分でやってましたから。『興行中は毎晩打ち上げがあって、披露口上に並んでくれた幹部師匠連をもてなすのが大変だよ』と聞いてましたが、打ち上げが大好きな幹部連は、皆さんお年を召して、朝まで飲み明かすこともなかった。後輩の若手と一緒に飲みに行くことが多かったので、これも楽でした」

 どこの寄席でも師匠の一朝が口上を述べ、1席演じるのが慣習だ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情