二田一比古
著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

不思議とウマが合った「アクターズプロ」の阿知波信介氏

公開日: 更新日:

 1962年、東宝から独立した三船敏郎が創業した「三船プロ」は俳優のマネジメントだけでなく、映画製作も手掛けた。調布にオープンセットまである撮影所も所有。石原裕次郎とタッグを組んだ「黒部の太陽」をヒットさせるなど、一時代の映画界に革命を起こした。

 しかし、好事魔多し。事業の拡大に伴うように内部分裂が起きる。東宝演出部から三船を慕い移籍してきた田中寿一氏が俳優を連れて独立。「田中プロモーション」を設立した。田中は女優の烏丸せつことの再婚など芸能史を賑わせた人物でもあった。

 新たなスタートを切った田中プロも出だしは好調だったが、因果は巡るように今度は田中プロで内紛が勃発。副社長の阿知波信介氏と俳優・竜雷太らがたもとを分かち、竜を社長に「アクターズプロ」を設立。萬田久子、秋野暢子ら女優陣も移籍した。影響をまともに受けた田中プロは後に倒産した。

 私が本格的に取材するようになったのは阿知波氏の私的な取材からだった。俳優からマネジャーに転身した阿知波氏は持ち前のバイタリティーで頭角を現した伝説のマネジャー。ドラマ界では、「俳優出身だから俳優の気持ちを理解していた。優しい顔で女優のためなら土下座もする人でした。所属女優の生理も把握して体調管理までしていた」といわれていた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」