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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

赤塚不二夫編<2>赤塚家の猫「菊千代」への取材が結んだ縁

公開日: 更新日:

 奥の専用座椅子に座っていた先生。時刻は3時ごろだったが、すでにお酒が入っている様子。

「君はお酒を飲むの」と聞かれたが、仕事中を理由に一時は断った。菊千代の話に入る前に先生から質問が来た。

「君は普段はどんな取材をしているの」

「芸能記者として芸能人のスキャンダル記事が多いですね」と答えると、「男と女がデキているとかって話。くだらないことしているね」と笑った。

 笑って返すしかないところに、夫人が合いの手を入れてくれた。

「赤塚先生のギャグ漫画も相当、くだらないと思いますよ」

 3人で大笑いした後、先生の言葉がその後の記者人生の励みになった。

「世間から見れば“くだらない”と思われている仕事でも、一生懸命やることに価値がある。僕もアンタも偉い!」

 芸能人との付き合いも多い赤塚氏。「〇〇をうちでかくまっていたことがあった」と驚きの話もあったが、ようやく菊千代の話に入るころには、私のお茶は勧められるままにお酒に変わっていた。

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