虹プロは大当たり K-POP仕掛け人が日本市場に積極的なワケ
近年、特にK―POPが日本市場に積極的なのは、17年に配備された米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイルシステム)を巡る中韓の対立で、韓国芸能人が中国から締め出されている事情もある。しかし「虹プロ」を手がけたパク・ジニョンの構想は、もう少しスケールが大きい。
彼は18年7月の講演でK―POPの海外進出を、①「韓国のコンテンツを海外に輸出」②「海外の人材を韓国のグループに加えて輸出」③「海外の人材を発掘・育成してプロデュース」の3段階で説明。そして③を「グローバリゼーション・バイ・ローカライゼーション」と呼び、具体例のひとつに「虹プロ」を挙げた。
この構想を現実にする形で、2年後にNiziUが生まれたわけだ。現地化戦略なら、THAADや反韓感情といった雑音に左右されないメリットもある。NiziUの後にどんなプロジェクトが続くのか、次なる展開にまた注目したい。=つづく
▽高月靖(たかつき・やすし) 1965年、神戸市生まれ。ノンフィクションライター。韓国事情や性事情など各種社会事象を扱う。主著に「在日異人伝」「キム・イル 大木金太郎伝説」「独島中毒」「ロリコン」「南極1号伝説」などがある。