菅田将暉主演「CUBE」は大ヒット映画の公認リメーク それなのに評価イマイチのワケ
リメーク版では、キャストありきの圧倒的主人公を立てないと成立しない日本映画の弱点が露呈し、お涙頂戴の展開が所々に散りばめられ、いつの間にか「主人公がトラウマを乗り越える映画」になってしまっていた。
さらに原作映画は低予算にも関わらずトラップの残虐さと、朽ち果てた人間の残酷さが震えるほど克明に描かれていたが、リメーク版ではトラップの残虐性も、最近流行のデスゲーム作品レベルの内容に改変されてしまっている。
■邦画の悪い癖を集めたようなリメーク
もちろん今の日本に受け入れられる作品に昇華するためには、そういった残虐性を表現し切るのは難しい側面もあるのだろう。ただ、原作映画はその残虐性を描き切ったからこそ、終盤で鑑賞者の涙を自然と誘った。
そして原作では仲間の1人目が死ぬまで16分だったのに、リメーク版では1時間かかるテンポの悪さ。明るすぎる画面、ここで泣いてください!というようなBGMも、邦画の悪い癖ばかり集めたしまったような印象だ。
またレビューでも指摘されていたとおり、主題歌が星野源(40)であることが発表された時点で違和感を抱いていた原作ファンも多かったようで、実際にエンドロールで星野源の「Cube」が流れたときには改めて「やっぱりなんか違う」となってしまった。