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吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<95>野崎幸助さん周辺の複雑な人間関係 目先の金を考えてバラバラになり始めた

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 一方でマコやんはニュートラルで、誰とも等間隔に距離を置いていたが、ひげのMのことは嫌っている。門外漢の私はニュートラルな立場になるのが当たり前だが、やはり腹黒いひげのMのことは嫌いだった。

「それにしてもアプリコはどうなりますか?」

「それなんや。なんとしても継続させたいんやけど、佐山さんは潰すのに賛成やからなあ。皆、目先の金を取ろうと考えてるんやろな」

「困ったものですね」

「そうや。佐山さんは退職金を500万円は取ろうと考えてるらしいで。きっと、それを手にするまでは辞めへんと思うけれどな」

 主人を失った会社の存続は混沌としていた。

 翌日の5月30日は、まるで社長の死を惜しむかのような大雨が、午前11時に始まる葬儀の直前から降りだしていた。そんな雨のなか、この日も葬儀場の門の外には20人ほどの記者が傘を手に立っていた。

 通夜もそうだったが、葬儀も淡々としたもので、早貴被告に対しての文句が参列者から出たこともなかった。

 式が終わって斎場に残ったのは遺族と従業員、そして私だった。通夜の後に私に絡んできたひげのMや元従業員のSは飛行機の都合があるとかで姿を消していた。 =つづく

【連載】紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実

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