「当時、吉本社内にかつらをかぶっていたはげのお偉いさんがいはって、ズラは禁句でした(笑い)」
染雀と桂あやめのユニット名は、当初ズラシスターズだった。
「テーマソングは昭和初期にはやった『浪花小唄』のメロディーに歌詞をつけました。『島田かぶっておしろい刷けば、違うあなたとホントの私。顔も白いが尾も白い(面白い)。ズラズラ、ズラズラ、ズラシスターズ』という歌詞です。デビューは1999年秋の彦八まつりで、上方の落語家が一堂に会する大イベントでの色物大会でした。僕が三味線を抱えて、あやめさんはアコーディオンを抱えてやりました。三味線とアコーディオンは音を合わせづらいのがわかって、あやめさんはバラライカに替えました。お父さんがロシア好きで、家で弾いてたそうです。三味線と同じ3弦楽器やから相性がええやろと」
この音曲漫才が評判を呼んだ。
「あやめさんが所属している吉本興業の劇場に出させてもらうことになりました。ところが当時、吉本社内にかつらをかぶっていたはげのお偉いさんがいはって、ズラは禁句でした(笑い)。『そんな名前で出たら干されるで』と先輩に言われて、急きょ変えることにしたわけです」