芸人としての矜持「女装は舞台上だけ 趣味で女装はしません」
「あやめさんが舞台で、あんたは男が好きとか、女を愛せないとよく言うので、そう思われてるみたいです。僕は肯定も否定もしてません。芸人というのは、どっちかわからないグレーの存在がいいと思うてます。あやめさんはゲイバーが好きなんですが、僕は騒ぐのが嫌いで、1人静かに飲むのが好きなんです。高座を下りた後、芸者姿のままお客さまと接するのも嫌で、女装は舞台上だけと決めてます。だから、趣味で女装はしません」
これが染雀の芸人としての矜持なのだろう。
「あやめさんと話したのは、姉キンみたいなアホなことやって、『しょせんゲテモノや』と言われんよう、本芸の落語はきちんとやろう。できれば落語で賞を取ろう。そして、その賞を看板にして、一層アホなことをしようなと」
あやめはその言の通り、2002年度の文化庁芸術祭に参加して優秀賞を取っている。染雀も後を追い、2017年度の芸術祭で同じ優秀賞に輝いた。
「これでいくらアホなことしても、ゲテモノ扱いされないと思うてます」(つづく)