「エルピス」「Sister」「舞いあがれ!」が好評価 ドラマ勢力図「西高東低」に変わったワケ
もちろん、東京キー局制作にも素晴らしい作品はたくさんあるが、最近、関西制作のドラマからは熱量がよく伝わる。
「西高東低の傾向はNHK朝ドラを見ても顕著です。たとえば、9月まで放送されていた『ちむどんどん』は、『#ちむどんどん反省会』が今年の新語・流行語大賞にノミネートされるほど評判がイマイチでした。『ちむどんどん』ほどではないですが、昨年の『おかえりモネ』、3年前の『なつぞら』など東京制作のドラマは途中で視聴者が脱落するパターンが続きました。それに対し、今放送中の『舞いあがれ!』は大阪放送局の制作で、サプライズもなければ大きな事件も起きませんが、主人公の日常が丁寧でリアルに描かれています。大阪制作は昨年の『カムカムエヴリバディ』、一昨年の『おちょやん』と重厚な良品に仕上げていました。一作品ごとの作り手の意気込みを感じられます」(前出のドラマ制作関係者)
■TBSでは企画が通らなかった
エルピスに話を戻すと、プロデューサーの佐野氏は、この企画を6年前から温めていたが、実在の冤罪事件をベースにした物語のため、検察や警察から目をつけられる恐れがあるとして、当時在籍していたTBSでは企画が通らなかったという。